土曜日渋谷に行ったのは、AGFESを見るためではなくて、シネマライズで映画「コントロール」を観るためでした。
亡くなったJoy DivisionのボーカリストIan Curtis(イアン・カーティス)の晩年の数年を描いた映画だ。イアンの奥さんで、映画にも登場するデボラ・カーティスが書いたTouched by the Distanceがもとになっているのだが、この映画は、娯楽ではない。凄く芸術的かと言えばそうでもない。ドキュメンタリーというには物足りない。しかし妻が書いた話だけあって、細かいところでは妙にリアリティがあっていい。イアン役のサム・ライリーも最後の方ではイアンにしか見えなくなってくるし、HATEと書かれたジャケット、メンバーが演奏するときの楽器類(一部おかしいのあるが)など、細かなところが、「そうそう。」と思わせる懲りよう。
最期に書き残したと言われる、「今この瞬間に、俺は、死んでいるのをただ願っている。俺にはもうただ対処することができない。」という遺書が、最後に出てきてもよかったかな。