英語でaffordableという意味の言葉がある。
製品が安すぎず高すぎず手の届く適切な値段であるという意味の形容詞である。最近はもの凄く高級か、ペラペラに安いか、二極化がどんどん進んでいる。ビックリするほど高かったり、信じられないくらい安い値段であったりというのが本当に多くなった。その価格が適正でaffordableだと思うことはあまりない。
今朝のニュースで、ソフトバンクが長期契約を条件ではあるが、携帯電話の端末の価格を新規加入・機種変更ともに無料にした。条件付きという部分はあまり強調されなくて、これから携帯というものはタダで手に入る時代ですという宣言に聞こえた。
これはどういうことかと思った。
ひょっとして世の中は、携帯の端末なんて、タダでいいと思っているのではないだろうか。お金を払う価値がないと思っているのだろうか。いずれ近い将来買い替えることがわかっているとはいえ、毎日使うモノだ。もちろんメーカーがキャリアに端末を無償で提供しているわけではないのだが、ユーザーにこういうモノはタダで手に入るものという意識が根付いてしまう。
もし携帯電話を製造する仕事をしていたらどうだろうか、自分たちの造っている製品には、お金を払うだけの価値がないと言われたも同然だと思わないだろうか。短い間ながら大切に使ってもらいたいという想いがこもったユニークな製品が出来てくるだろうか。
もしかしたらこういう価値観は古いのかもしれない。でもこの仕組みが根付いたらこの国がダメになるかもしれないと思った。