NAHBS(North American Handmade Bicycle Show)に行ってきました

SNSをフォローしていただいている方はご存知かもしれませんが、休暇を利用してカリフォルニア州はサクラメントで開催されたNAHBS 2016に行ってきました。

目的は次のシクロクロスバイクを検討するため。Ridley X-Fireも3年使ってきて、まだまだ現役ですが、練習やレースの度に落車はするし、汚れるし、その度にガンガン洗車してを繰り返していると、どうも傷んでくるのが早そうな感じ。それにCielo Road Racerを1年乗ってみてスチールフレームでもそこそこ軽くて剛性が高く、乗り心地の良いバイクは作れることも分かったし、もともと競技志向ではないので、今後はレースよりグラベルライドなどに出掛けることが多くなりそうな予感もする。取り扱いがデリケートなカーボンフレームにする理由はあまりなく、どちらかというとハンドメイドフレームに完全に気持ちが向いています。ま、全然先の話なんですが。

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開催されたのはサクラメントコンベンションセンター。

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事前にチケットを購入し、入口前でリストバンドをピックアップ。チケット購入後送られてくるメールを印刷して持って行くとよいかも。

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会場は76m(250ft)四方くらいのサイズで、ちょっと拍子抜けするくらい小さかった。東京ビッグサイトのホールひとつが90m四方なので、それよりやや小さい感じ。サイクルモードなんかでは、それを3つくらい使うので、どれくらい小さいかわかると思う。

出展されていたバイクはスチールばかりではなく、チタンもかなり多かったし、カーボンもあった。NAHBS=スチールというイメージがあったがどうやら違ったようだ。バイクの種類では、ロードバイク、シクロクロスバイク、マウンテンバイク、その他シティコバイク/ユーティリティバイクが大体同じ比率くらい。シクロクロスカテゴリのバイクは競技用というよりは未舗装路やバイクパッキングでも使えるようなものをひっくるめてカテゴライズされている。

ブレーキはほぼディスクブレーキ。カンチは2、3台しかなかったと思う。エンドはスルーアクスルが主流。恐らくハンドメイドフレームもこの流れになるのでしょうね。おそらくリアエンドは142mmがデファクトスタンダードになるのだろう。と思ったらChris KingやWhite Industriesが148mm幅のBOOST規格のハブを出していて、それを使っているバイクもあった模様。今のX-Fireは前後エンドがクイックリリースだけど、ハブはChris KingのR45なので、あとからスルーアクスル化が可能。とりあえずホイールは使えそうかな。

会場で気になったものをいくつか紹介。

Hunter Cycles
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今回これ一番欲しいと思いました。Hunterのロゴが違ったので、最初なんだかわからなかった。土曜日は常に人だかりが出来ていて写真が撮りづらかった。

Retrotec – Inglis Cycles
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2番目に欲しかったのこれ。Retrotecのビーチクルーザーっぽい造形ってそんなに好きじゃなかったけど、現物見て印象変わった。

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あとカプラーで分割できるフレームも結構あって、強度的にどうなのかわからないけど、飛行機での持ち運びが楽になるのなら、凄くいいかもしれない。

Black Cat Bicycle Design
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Black Catはフレームごとにグラフィックが全然違ってて、見ていて楽しい。

Chris King
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CieloのBase Racer。Base Racerっていう名前なので、Road RacerとSportifの間のものを想像していましたが、ディスク専用フレームでした。細くてテーパーになっているヘッドチューブとか、Road Racerといろいろ違いそうです。

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あと40周年でオリーブドラブカラーのハブ、ヘッドセット、ソルト&ペッパーミルも(笑)出してました。ハブはスクリプトロゴが珍しいですね。

Breadwinner Cycles
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Breadwinnerもそうだけど、フレームポンプがついているバイクが多かった。ほぼシリカのインペロ。便利そう。

Matter Cycles
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全然しらなかったけどMatterのこれ。コーラルピンクの色が絶妙で、ちょっとマウンテンバイクに近い感じだけど雰囲気がよかった。ハの字形のハンドルだったので普通のにしたい。

333Fab
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トリプルスリーファブって読むらしい。ここはグラフィックがかっこよかったし、スタッフも含めてノリがよさそう。

SOULCRAFT
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SOULCRAFT。これもシンプルで目を惹きました。フロントシングルで使いやすそう。

Mosaic Cycles
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なぜか写真を沢山撮ったMosaic。日本にディストリビューターがないっぽいですね。バイクはどれもレーシーな感じでしたね。

MOOTS
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MOOTSもチタンの地の色のフレームばかりと思ったら、塗装したものもあるのですね。サイクルモードで見た時、同じ色のフレームばかりだったので、あまり興味湧かなかったけど、ちょっといいなと思った。

SRAM
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今回出展されていたバイクにも結構eTapがインストールされてました。SRAMブースにeTapがあったけど、レバーとディレイラーが全部ハンドルに適当につけてあって、もうちょっと見せ方を工夫できなかったのかと…。

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あとApexのフロントシングル。ガシガシ走りたい人にはこれいいですね。カセットの肉抜きが凄い。

ちょっと写真が多くなってしまいましたが、まだまだあるので下にFlickrのリンク貼っておきます。

これを読んで行ってみたいと思った人(いるかどうかわからないけど)のためにNAHBSについて書きます。

事前準備
事前にチケット予約ができるのでやっておくとよい。1日22ドルだ(結構高い)けど、2日分だと38ドルと安くなる。現地でチケットを買うことも出来るが、土曜日は結構並んでました。

毎年開催都市が変わるので、会場までのアクセスも確認して必要ならレンタカーも予約しておきます。国際免許の準備もお忘れなく(免許センターで当日貰えます)。

ショー自体の規模はそれほど大きくないので街じゅうのホテルが満室になるということは考えにくいですが、これも早めに押さえておいたほうがよいでしょう。会場までの移動とか、メシとか、いろいろ考えて決めるといいかも。

行ってわかったこと
今回は金土の2日間でチケット申し込み。金曜日はそれほど混んでなかった。若干寂しいくらい。写真を撮るなら金曜日が吉。

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メデイアがバイクの撮影をしているので、金曜日にブースになかったバイクが土曜日にはあったり、展示している場所が変わっていたりするので、じっくり見たければ2日。一通り見るだけなら1日で十分。

北米の全てのフレームビルダーが出展するわけではない。今回はIndependent FabricationやTonic Fabrication, Speedvagen, tomii cyclesなどは出展がなかったです。ちょっと残念。事前に出展者情報はわかるので、それで判断するのもよいかも。それか直接聞くのが早いかもしれない。

一回くらい行ったくらいでは、トレンドとかそういうのは分からない。うちの業界のショーでもそうですが、前年、前々年と比較してどうとかいう視点がないと、流れの中のどの辺にいるのかは分からない。

バイクを見るのもいいけど、フレームビルダーに会って直接話を聞いたりするのもショーならではの楽しみ方。あまり専門的な知識はないので、このチューブは■■の⚫︎⚫︎だとか言われても、さっぱりでしたが。でも雰囲気が感じられてよかったです。

自分が働いている業界も大手メーカーと個人製作家(ビルダー)が混在している世界で、大手は一部のブランドを除いてはアジアの工場でOEM生産が主になっており、ビルダーはセミカスタムあるいは完全にカスタムのプロダクトを納期数ヶ月から2年くらいで顧客と直接あるいはディーラーを経由して販売している。ビルダーは素材を自分なりに選定し、顧客の要望にあったデザインを施し、主要なパーツはパーツ専用ブランドのものを使う。時に特殊なペイントはスペシャリストに依頼し、注文が多くなれば、仲間のビルダーに作業を手伝ってもらう。完成品の価格は数千ドルから一万ドル。最終アセンブリをするのがディーラーになるのが大きな違いだけど、それ以外は驚くほど似ているので、非常に興味があったし、見ていて楽しめた。

NAHBS 2016
Flickrの写真はこちらから → Flickr Album: North American Handmade Bicycle Show 2016

翌日はSan Franciscoで過ごしたのでそれについてはまた書きます。

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