本日のみ東京ビッグサイトで開催されたGEISAI #10に行ってきた。
GEISAIは、アーティストでカイカイキキ代表の村上隆氏が主宰するアートイベント。無名の若手アーティスト発掘の場をつくるというコンセプトの下に、参加者が自らの作品を展示し、来場者に作品を知ってもらうきっかけにとどまらず、作品を販売することも出来るという画期的なイベント。このイベントをきっかけに注目されるようになったアーティストも輩出しており、今回で10回目を迎えた。
会場へ入ると小さなスペースに作品を並べたブースが無数にあり、参加者と来場者でごった返していた。もし気に入った作品があったら買って帰ろうかなくらいに思っていたのだが、自分の好みに合うものが見つけられなかった。シンプルでいいから力強さとかやさしさの感じられるものを探していたのだが、どちらかというと、細かくて込み入った感じの作風が多かったし、ものすごいコスプレしているとかパフォーマンスが過ぎている感じのものも目についた。ちょっとアートにオタク文化が入り込んでいるのだろう。オタク文化も世の中には根付いてきているから、あまりサブカルチャー的な感じも受けなかったし、ちょっと理解出来ない感じのものが多かった。まぁ、これはテイストの問題だと思うので、今日行って最高だったという人もいるだろう。それはそれでいいと思う。
ただし、お昼過ぎに表彰式があったのだが、そこで選ばれた作品はなるほどと思うものが多かった。本戦審査員は、ピッツバーグカーネギー美術館キュレーターのダグラス・フォーゲル氏(Douglas Fogle)、アーティストのマルセル・ザマ氏(Marcel Dzama)、上海MoCA(当代芸術館)会長兼館長のサミュエル・クン氏(Samuel Kung)、サムライのアートディレクター佐藤可士和氏、音楽プロデューサーの藤原ヒロシ氏。
村上隆氏と本戦審査員の5人。
金賞奈良エナミさんの作品。
金、銀、銅賞受賞者の皆さん。写真左から平良美樹さん(銀)、奈良エナミさん(金)、勝正光さん(銅)、小村希史さん(銅)。おめでとうございます。
村上氏がこのGEISAIを開催したり、いろいろなメディアに登場しているのは、日本でアートをビジネスとして確立させたいということらしいです。確かに同じ芸術でも映画や音楽はビジネスとして十分確立されているのに、アートってあまりビジネスとして確立された感じがない。もしかしたら純粋芸術の世界では「表現」が優先されて、「金儲け」がタブーになっているのかもしれません。
でも部屋に好きな作家の作品を飾りたいというニーズは確実にあると思うんで、アーティストの方が作品を買ってもらう機会っていうのは、もっとあると思うんですよね。アートって「表現」であるにも関わらず、映画や音楽と比べて、何を伝えたいのか、その用件がなかなか伝わってこないのが原因じゃないのでしょうか。もっと気軽に芸術に触れる機会が沢山あったら変わってくるかもしれません。
会場内で、lammfromm(ラムフロム)のThe Concept Storeが出展(出店?)していたので、草間彌生さんのLOVE FOREVERのT-Shirtと奈良美智さんのステッカーを買って帰りました。ほんとは参加者の作品を買いたかったのですが、残念。