運動は魔法の薬

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いろいろなところでお薦めされていて気になっていたので「脳を鍛えるには運動しかない!/ジョン J.レイティ著」を読んでみた。近くの書店でも面出しして置いてあった。どうやらこの分野では有名な本らしいです。

詳しくは本書を読まれるのをお勧めしますが、運動は健康や体力づくりを促進するだけでなく、学習能力向上やストレスや依存症などを改善する効果があるということです。これからが心理学的側面だけでなく生理学的な側面においても実際に効果が確認できたということを、様々な統計データや実際の患者の行動の変化などを交えて論理的に述べられています。

本書によるとイリノイ州ネパールヴィル二〇三学区の高校生は「〇時限体育」によって、全国一健康になり、成績も目覚ましく向上したようです。運動によって感覚が研ぎすまされ、集中力が高まり、気分がよくなった。意欲が増し、元気が湧いてきたそうです。なぜでしょうか。学習とは情報を伝達する為に神経細胞どうしを新しく結びつけることを意味するそうですが、運動によって増加する脳由来神経栄養素因子(BDNF)が学習に必要な神経細胞とそれらの結合を促進させるという働きがあるため脳の学習能力が向上したと考えられるそうです。ざっくりですが。

体育の授業というとタイムを競争させたり、球技を取り入れたりし、身体をいかに上手に動かすかに焦点をあてることが多いと思いますが、この従来型の体育の授業は運動が好きではない生徒にとって自分が他人より劣っていると自覚させるだけの苦痛の時間。ところがこの「〇時限体育」は最大心拍数の80〜90%で運動するように指示されている。つまり誰もが自分のペースで頑張れさえすれば健康にもなるし、学習能力も向上したというわけです。

また自分に対して自信が無くなり、気分がふさぎ込みがちになっている患者に対して、運動を勧めたところ、笑顔や自信を取り戻し、自分を肯定的に捉えられるようになったそうです。運動するとドーパミンが放出されるが、ドーパミンは気持ちを前向きにし、幸福感を高め、注意システムを活性化させるという。ドーパミンは薬物やギャンブルなどによっても増加するが、運動によるドーパミンの放出によっても、それらの代替となり、自己規制能力も高まるという。

運動は魔法の薬というわけですね。

運動を続けたいけどモチベーションが維持できない、運動した方がよいのはなんとなく分かっているけどなかなか踏み出せないという人には是非お勧めしたい一冊です。

ここのところ毎回数十キロのライドを繰り返していますが、これも継続しなければなんとなく気分が落ち着かないというレベルまで持っていくことが出来たのが要因として大きいです。本書にもあるセルフコントロールが運動によってできるようになったのかもしれません、ドーパミンによって。あとは走るだけですね。

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