FacebookやInstagramなどでその人が使っている自転車や楽器などの写真を眺めるのが好きです。撮り方ひとつでその人がどれくらいそのバイクやギターが好きなのか、どういうところが好きなのか想像出来るからです。(Canon EOS M3 EF-M18-55mm f3.5-5.6 IS STM 41mm(65.6mm) f5.0 1/250 ISO1000)
自転車に限っていえば、撮り方のお作法というものが少なからずあり、それを忠実に守っていたり、多少ハズしてみたり、全く無頓着だったりで、見ていて人となりがわかるようです。
とりあえず自分はこういう感じ。(Canon EOS40D EF28mm(44.8mm) f1.8 USM f3.5 1/400 ISO400)
チェーンリングがあるドライブトレイン側から撮るのがマスト。進行方向が画面左側でも向きを変えます。反対側から撮ったことはほとんどないのではと思います。あとはクランクをチェーンステーと平行に。シートチューブと平行も別パターンとしてアリですが、SRAMの場合は横をむいていた方がクランクの文字が読めるようになっているので。
ヘルメットに右クランクを立て掛けるときはこの限りではありません。(Apple iPhone4s 4.3mm(34.4mm) f2.4 1/521 ISO50)
あとは背景をできるだけグレーにする。一般的にカメラの露出計は人間の目ほど賢くなく背景が明る過ぎたり暗過ぎたりすると上手に露出が合わせられません。平均的な明るさで適切な露出が得られるようになっていて、それがだいたい18%グレーの明るさと言われています。18%ではなくても背景を適当なグレーにしておくと適正な露出が得られやすく撮影が早く終わります。撮影中は不安定な立て掛け方をすることも多いし、風が吹くと一発で倒れます。なによりご近所さんや通りすがりの人に怪しまれないで済みます。早く撮れることのメリットは思いのほか大きいです。
黒、グレー、白の画用紙を使ってテストしてみます。黒は完全な漆黒ではないし、グレーは18%ではないし、白も純白ではないのですが、背景の明度による差が出るはずです。
黒 f5.0 1/40 ISO2000 | グレー f5.0 1/60 ISO400 | 白 f5.0 1/60 ISO250 |
撮影はすべてオートで撮りました。背景の色に関わらずカメラは18%グレーの明るさだと認識するので、背景が無彩色の場合、全てグレーになっています。そのせいで黒は明るく写りすぎヘルメットは白く飛んでしまい、白は暗く写ったのでウエアの柄が目立たなくなってしまいました。グレーの場合はもうちょっと補正が必要ですが、ヘルメットのディテールもウエアの柄もまずまずかなと思います。
これがいつもコンクリートの背景で写真を撮っている理由です。(Canon PowerShot S90 18.2mm(84.9mm) f4.5 1/100 ISO400)
あとはチェーンをアウタートップに、ホイールはバルブがある方を上か下に。ケージに刺さっているボトルを外すくらいですね。この辺りはやったりやらなかったりです。
iPhoneで撮影することも多くなかなか実現できてませんが、レンズは雑に言うとズームして遠くから撮ったほうがハンドル近辺がスッキリします。この中では上の写真が35mm換算で焦点距離が約85mmなので一番ハンドルが重なって見えます。理想的には100mmくらいで撮ったほうがよさそうですね。
Cinelli Experienceを買って最初に撮った一枚がこれ。露出に関する知識はあったものの、ものすごく寄って撮っているのでフレームが歪んでいますし、今見るとお作法がめちゃくちゃで恥ずかしいです。(Canon PowerShot S90 6.0mm(28mm) f2.0 1/30 ISO100)
ちなみに3年後。雨が降った後だったので背景が暗めです。(Canon EOS40D EF-S17-85mm f4-5.6 IS USM 38mm(60.8mm) f5.0 1/400 ISO800)
写真の下にカメラのセッティングを入れています(ボディ、レンズ、焦点距離(同35mm換算)、F値、シャッタースピード、ISO感度)が、3つ上のRidley X-Fireは2万円のコンデジで撮っていますので、この程度の写真なら一眼レフでないと上手く撮れないということはありません。
以前住んでいた二つのマンションは駐車場に大きなコンクリートの壁があったので撮影には便利でした。新しく引っ越した場所にも近所にコンクリートの壁が見つかったので、思い出したついでに書いてみました。